ベビーダンスⓇ

産婦人科でのベビーダンス

ベビーダンス 誕生秘話

ベビーダンス は、田中由美子が2007年に世界で初めて考案した大人と子どもとのペアダンス。2009年に一般社団法人日本ベビーダンス協会を設立しました。

ベビーダンス 誕生秘話をご紹介します!

「ママじゃなきゃダメ!」が自信をつくってくれた

私、出産するまで、子どもはそんなに好きじゃなかったんですよ。ダンス以外で人前に出るのも苦手だったし、なにかのリーダーになるなんてことも考えたことがなかった。人前で話すなんて、もってのほか。なのに、ベビーダンスを作って、続けてきた。昔の私を知っているダンスの友だちには、びっくりされてます。「あの頃は、まともにしゃべっているのも聞いたこと、なかったのに(笑)」って。……考えてみると、不思議ですよね。

中学の頃に母と死別して、だから、血のつながった自分の子どもというのが、すごくかわいかった。「ママじゃないとダメ」と言ってくれる娘、ママじゃないと泣きやまない娘。「おなかすいた!」「抱っこ~!」と泣かれるたびに、それはそれですごく大変だけど、反対に、自分に対する自信も芽生えてきた。「ママじゃなきゃダメ」と言われるたびに、自分の存在価値を高めてもらえているような感じですね…。娘を抱っこしていると、自分が抱っこしているんだけど、実は娘に抱っこされているようで、娘からの愛に癒されていたような気もします。この経験があったから、ベビーダンスを続けてくることができたんだと思います。

産後知り合ったママ友にひとりに、自宅でアロマ・セラピーの教室を開いている子育て中のママさんとの出会いがありました。「そうなんだ、子育て中でも自分の特技を活かして、人に喜んでもらえる仕事ができるんだ」と思って、ママ友の仲間たちにダンス・レッスンをしてみたんです。これが好評だったので、妊娠する前まで勤めていた社交ダンス・スクールの営業前の時間にスタジオを借りて、クラスをスタートさせました。チラシづくりもそれまでしたことがないし、何もかもが初めて。でも、授乳とおむつ替えに明け暮れる毎日に、なんだかハリができたような気持ちになりました。

(写真:オムツ替えと授乳の毎日だったころ)

「今日一日の思い出づくり」、その積み重ねが今に続く 

「子育て時代の娘との思い出づくり」のつもりで、地元のスタジオでこぢんまりと始めた活動だったんですが、「コンセプトがおもしろい」ということで、初回のクラスから地域のフリーペーパーに大きく紹介されて…。

3か月後には読売新聞、NHKの朝の番組でも紹介していただきました。産後、子どもと一緒に親がからだを動かせるプログラムって、今までなかったんですよね、考えてみたら。それで情報があっと言う間に広がって、出張依頼をいただいたり、遠くから赤ちゃんを連れて来てくださる方がいたり。私も嬉しくて、あちこちのママ・サークルさんへ出張レッスンに行きました。

ロイター通信
(写真:海外メディアのロイター通信にも取材されました)

娘も小さかったから、最初のうちは強行軍でした。赤ちゃん向けのクラスですから、どうしても午前中になりますよね。ちょっと遠くへ行く時は娘をベビーカーに乗せて、ラッシュを避けて始発電車に乗って開催場所まで出かけ、クラスが始まる時間までカフェで時間つぶし。レッスンの後は、その地域の子育て支援センターで遊んで、夕方のラッシュに巻き込まれる前に帰る。一日がかりの楽しい思い出づくりでした。なによりも、自分の特技を活かしている、同じ境遇にあるママたちに喜んでもらえる、それに、今までは社交ダンスと関わりがなかった若い世代の人たちに社交ダンスを伝えられる、それが嬉しくて。

でも、出張レッスンの依頼が増えてくると、体力的にも難しくなってきたんです。そんな時に、いろいろなダンスやエクササイズのスキルを持つママたちが「一緒に活動をしたい」と名乗りをあげ始めてくださった。それなら、と思って、ノウハウを少しずつ伝え始めました。同時に、私の活動に興味を持ってくださったスポーツ専門の小児科医の先生にも相談して、赤ちゃんや産後の女性の負担にならない動きやテンポも研究、安全性の高いプログラムに整えていったのです。

盛岡の体育館でパパもママもベビーダンス
パパもママも一緒にベビーダンス

娘の笑顔が、地域を、宇宙を幸せにしてくれる、と信じて

 一般社団法人にした時も、「起業するんだ」という気持ちもなく、法人税が何なのかも知らず、でした。ベビーダンスを気に入ってくださっているママたちや仲間の活動場所が広がるかもしれないなと思って、「私にはきっとできる」という自信だけで設立してしまったようなものです。ほんとに、娘の「ママじゃなきゃダメ」に支えられてきたなあと思う。「ママじゃなきゃ」が、私の心の中で「私なら」「私でなきゃ」にどんどん変わっていったような気がするんです。「私にはなんでもできる!」「協会設立ももちろんできるはず!」って。子育てって、自信にすごくつながるものなのかも。

海外のメディアにも取り上げていただきましたし、これまでに、20万世帯を超える家族がベビーダンスを体験してくださっています。「寝かしつけに役立った」「パパが育児に積極的になった」などなど、いろいろな感想をいただくと、「こぢんまりと地域で続ける」ということにこだわらなくてよかったな、どんどん進んできてよかったなと思う。

こうやって進めてきたのは、私ひとりの力や、目に見えるものだけの力だけじゃない。必要なものにも、すばらしい人材にも、まるでこのために準備されていたかのようにして出会えましたから。始めた時はたったの6ページだった「ベビーダンス・インストラクター養成講座テキスト」も、内容がどんどん充実して、100ページを越えました。

小児科医監修のベビーダンス教室
(写真:小児科医監修のベビーダンス教室)

もしかしたら、ですけど、私のように早くに親との別れを経験して悲しくなってしまった子どもたち、親たち、反対に、親はいるけど幸せじゃない人たちや、そういう親を見ている子どもたち、そんなみんなの気持ちが、過去現在未来の時空を超えてベビーダンスを応援してくれているような気がするんです。どんな形の家族でもかまわないけど、居ごこち良く暮らす家族が増えれば地域が良くなる。地域が良くなれば日本が良くなり、日本が良くなると世界が良くなり、世界全体が良くなれば地球環境もきっと良くなって、宇宙の他の星とも仲良くなれる! だから、ベビーダンスは宇宙平和に貢献しているんだ! 娘のこの笑顔がきっと地域の人たち、ひいては宇宙のみんなに喜びをもたらしているはず! 心からそう信じて、これからもベビーダンス に取り組んでいきたいと思います。

家族から地域、社会に広がるベビーダンス
家族から地域、社会に広がるベビーダンス
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爆睡率92%のベビーダンスを考案。元プロ社交ダンサー。Babywearingdanceの先駆者。 もっとダンスを社会資源として楽しんでいただくために、赤ちゃんを抱っこして踊る「ベビーダンス」のプロデュースや、ビジネスパーソン向けのライフスタイル提案などを行なっています。 元JBDAプロラテンダンスA級競技選手。西部日本ファイナリスト。日本ベビーダンス協会代表理事

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